バットマンの有名なヴィランの一人ペンギン(Penguin)。ゴッサムシティの裏社会で最重要の人物に迫る!
Gotham City Villains Anniversary Giant #1 (Cover: Frank Quitely) ©DC Comics.
ペンギンはどんな人物?
ペンギンは本名をオズワルド・チェスターフィールド・コブルポットといい、その名の通りペンギンのような小柄で小太りのわし鼻のファニーな見た目をしているが、ゴッサムのマフィアの中でも強い権力を持つ存在として、裏社会で恐れられてきた。傘を片手にシルクハットをかぶり、タキシードを着た片眼鏡の男という、紳士を絵に描いたような出で立ちで、アイスバーグ・ラウンジというナイトクラブを営むゴッサムシティの名士であり、特に実写作品ではゴッサムシティの市長として描かれることもある。映画やドラマの実写化も多く、ジョーカーと肩を並べる人気と歴史を持つ、バットマンの代表的な宿敵の一人である。捕まった時は精神病院アーカム・アサイラムのみならず、ブラックゲート刑務所に収監されたりもしている。
1941年のDETECTIVE COMICS #58でデビューしたペンギンは、バットマンと同じくボブ・ケインとビル・フィンガーによって作り出されたキャラクターで、初登場後も頻繁にコミックスに登場してきた。シルバーエイジのカラフルなコミックスの中ではひょうきんに描かれ、バットマンがダークに進化すれば、相似て残忍なマフィアとして描かれていった。1966年のTVドラマ『バットマン』では、リドラーに続く二人目のヴィランとして第3話にて登場し、初めて実写化を果たした。その後も、映画『バットマン リターンズ』ではキャットウーマンと二大ヴィランとして登場し、ダニー・デヴィートが個性豊かに演じた。さらに、2014年にスタートしたドラマ『GOTHAM/ゴッサム』では第一話からメインキャラクターとして登場し、最終話まで5年にわたって登場し続けた。
ペンギンの特徴は?
外見
小柄で小太り、鳥の嘴のように尖った鼻という外見の男で、シルクハット、タキシード、片眼鏡、傘の四点はペンギンのコスチュームの定番となっている。初期は黒の燕尾服に紫の縦ストライプのタキシードパンツで毎回登場しており、現在でも作品に合わせてよりシックに描かれることはあるが、基本のコスチュームは変わっていない。紳士的な外見に似合う、柄の長いシガレットホルダーを使って煙草を吸う姿もよく描かれる。
「WAUK WAUK!」という、アヒルの鳴き声のような笑い方をする。
能力と武器
携帯している傘は仕込み傘で、基本的には銃や刃物が仕込まれているほか、炎、毒、矢など様々なガジェットが飛び出すほか、防弾機能があったり、プロペラにして空を飛んだりとかなりの高機能のアイテムである。そのガジェットとしての万能さはバットマンの道具にも匹敵し、初期のバットマンのコミックスにおいて何度も登場しながらもマンネリ化せず人気キャラクターとなったのは、登場のたびにアップグレードする傘の魅力も理由だったかもしれない。
ペンギンは特別なスーパーパワーは持っていない。しかし、マフィアのボスとして君臨できるのは、知能の高さやリーダーシップを兼ね備えているからであり、その上、冷徹で戦略高い人物でもある。金銭的にも豊かで、これは名家の人物であることに加え、経営者としてのナイトクラブを運営してきた商才の高さも理由である。バットマンがコウモリを使うように、ペンギンも本物のペンギンを調教して戦いに利用することもできた。身体能力は高くはないが、仕込み傘を使った戦闘術の心得も持ち合わせており、作品によっては小柄な体型を生かして素早く動き回り、バットマンを翻弄する姿も描かれてきた。
鳥をテーマにした犯罪にこだわることが多いが、ペンギンが鳥以上に執着しているのは金と権力で、それがペンギンの弱点でもある。
起源<オリジン>
鳥のペットショップを営む母と暮らしていたオズワルド・コブルポット。父は嵐の日に雨に打たれたことが原因で気管支炎で他界していた。足の悪い母は息子を心配し、父のようにならないようにと、たとえどんな天気の時でもオズワルドに傘を持たせていた。常に傘を持ち歩いていることや、その特徴的な外見のせいで「ペンギン」と罵られ、いじめられていたオズワルド。しかしその分、幼い時から鳥のことを深く愛しており、大学では鳥類学の専攻に進んでいた。ある日、母が他界し、一人になったオズワルドは深く悲しんだが、それでもペットショップを相続し、愛する鳥達がいると思っていた矢先、病気の母の抱えた借金を理由に、その鳥さえも差し押さえられてしまう。全てを一度に失ったと感じた彼は、怒りから犯罪の道を選ぼうとするが、ペンギンに似た容姿や傘を持ち歩いていることをバカにされ、マフィアには全く相手にされなかった。こうして彼は、ペンギンの名を畏怖の代名詞に、傘を比類なき武器にすることを決意する。傘を改造し、片眼鏡をかけてシルクハットとタキシードを身につけた彼は、自分を馬鹿にしたマフィアの一人を問答無用で殺し、一味に取り入って自分の実力を示した。しかしそのマフィアすらもすぐに裏切った彼は、自分の犯罪帝国を築くために歩み出していくのだった…。
ペンギンのオリジンは、初登場から40年経った1981年に、BEST of DC #10のスーパーヴィランのオリジン特集で初めて明確に描かれた。
その後1989年にSECRET ORIGINS SPECIAL #1で、かつて自分をいじめた張本人に復讐するというプロットで再びペンギンの少年時代が描かれる。最初に描かれたオリジンと大きな違いはないが、当時のオズワルドが復讐のために格闘技を習い体を鍛えていたこと、いじめっ子を返り討ちにして復讐を果たすが、さらなる報復で実家のペットショップの鳥達を殺されたことなどが盛り込まれた。
ペンギンと関係の深いキャラクター達
バットマン:言わずと知れた、ゴッサムの守護者で、ペンギンにとって最大の敵。
ジョーカー:同じく最古参のゴッサムのヴィランとして、幾度か手を組んでバットマンを追い詰めた。
リドラー:しばしばコンビを組む姿が描かれてきた。特にドラマ『GOTHAM/ゴッサム』では手を組んだり憎み合ったりと、愛憎溢れる凸凹コンビとなった。
ラーク:ペンギンの右腕的存在の女性ボディガード。
ペンギンの登場するコミックス
数多あるペンギンのコミックスから、有名エピソードをいくつか紹介!
ペンギンの初登場回!
・ドラマ『怪鳥人間バットマン』 ・アニメ『バットマン』 ・映画『バットマン リターンズ』 ・ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』 ・映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
One of the Most Perfect Frame-Ups of All Time!!
(DETECTIVE COMICS #58/1941年)
美術館に出かけたブルースとディックは、そこでペンギンに似た容姿の、傘を持った奇妙な男を見かける。その直後、美術館から高額な絵画が盗まれてしまうが、ついに犯人は見つからなかった。その晩マフィアのボスの元にペンギンを名乗る男が現れ、自分こそが昼間の絵画泥棒であり、自分の知恵で彼らが計画する盗みに協力すると申し出た。ボスはこの提案を受け入れ、ペンギンの協力でオークション会場からダイヤを盗むことに成功するが、その直後ペンギンに殺されてしまう。手下ごとマフィアの一味を乗っ取ったペンギンは、バットマンの追撃をかわし、さらなる盗みを成功させる。しかも、バットマンを悪者に仕立て上げ、逆に彼を捕らえてしまうのだった。果たしてバットマンは、この状況を打開しペンギンを捕らえることができるのか。華麗なる怪盗を夢見るペンギン
Penguin Triumphant
(PENGUIN TRIUMPHANT/1992年)
イギリスの社交界に現れた、美女を誘惑して華麗にお宝を盗み去る紳士、怪盗ペンギン…。そんな物語を夢想するペンギンは、バットマンに関するTVのトークショーを見たことがきっかけで、犯罪から足を洗い、自分の仕事をより合法的に行うことを決める。そんなペンギンがまず訪れたのは、少年時代のいじめっ子の一人で、今やエリート証券マンとなったランドールの所だった。証券取引を操作する、巨大企業のコンピューターへのアクセス方法を知るペンギンは、半ば強引にランドールを引き入れ、新たなビジネスをスタートさせる。瞬く間に財を成したペンギンは、ブルース・ウェインの社交界に近づき、ウェイン邸を買い取るとまで言いだした。ペンギンの急激な成功の秘密や、彼の企みを知るために屋敷を貸し出したブルースは、ペンギンが尻尾を出すのをバットケイブで待ち構えるのだった。ペンギンを映像で見るには…
60年代の人気ドラマで初実写化!
バットマンのアニメにも、もちろん登場!
ティム・バートンの映画に登場!
人気ドラマで主役級のメインキャラに!
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