ゴッサムの案山子男スケアクロウ(Scarecrow)。恐怖ガスで相手を陥れるバットマンのヴィランの人物像に迫る!
Batman: The Dark Knight #12 (Cover: David Finch, Richard Friend, Sonia Oback) © 2012 DC Comics.
スケアクロウとはどんな人物?
スケアクロウは本名をジョナサン・クレインといい、カカシの格好をしたスーパーヴィランで、ゴッサムの街を幾度も恐怖の幻覚に陥れてきた。元は恐怖を専門にした心理学の教授だったが、その行き過ぎた教育方針から学校を追放され、犯罪者へと転向していった。心理学のみならず化学の知識も豊富で、自身の開発した恐怖ガス(フィアー・トキシン)を使って、相手に潜在的な恐怖の幻覚を見せることを得意としている。そのガスで、バットマンやロビンのみならず、ゴッサムの多くの市民を苦しめてきた。元々はただの金目当ての犯罪者だったが、描かれる過程で恐怖そのものを探求するヴィランへと進化していった。そうした恐怖への執着から、恐怖の支配者(マスター・オブ・フィアー)の異名を持つ。
スケアクロウ登場の歴史
スケアクロウは1941年の『WORLD’S FINEST #3』の中の一話で初登場した。バットマンと同じく、ボブ・ケインとビル・フィンガーによって生み出され、2年後の1943年に『DETECTIVE COMICS #73』で再登場を果たすが、ゴールデンエイジの登場はそれが最後となった。1967年の『BATMAN #189』で26年ぶりに復活し、この号で初めて恐怖を呼び起こす化合物を使用した。これ以降、スケアクロウは定期的にコミック誌に登場するようになり、次第にバットマンの定番のヴィランの一人となっていく。
映像作品では、1968年のアニメ『アドベンチャー・オブ・バットマン』で初めて登場し、1978年には『スーパーフレンズ』、1992年には『バットマン』とアニメ作品での登場が続いた。2005年には映画『バットマン ビギンズ』でキリアン・マーフィーが演じて初めて実写化され、その後の『ダークナイト』『ダークナイト ライジング』とシリーズ三作品に渡って登場した。ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』でも登場し、父子二代に渡ってスケアクロウとなるクレイン親子が描かれた。
スケアクロウの特徴は?
外見
痩身で暗い性格のジョナサン・クレインは、同僚からカカシと揶揄されたことでスケアクロウのコスチュームをまとうようになった。顔までボロ切れをまとい、麦わらが飛び出したハットをかぶった、カカシそのものの姿での登場が基本となっている。その基本の格好を踏襲しながら、布のツギハギや、縄、帽子、目の出し方などが時代とともに変遷し、より恐怖を与えるデザインへと変わり続けている。最近では、ガスマスクを着用するデザインもよく見られる。
能力と武器
初登場時は銃に頼っていたスケアクロウだったが、恐怖ガスが登場してからはそれをメインに攻撃を仕掛けている。ガスだけでなく、液体や煙など、様々な化合物に合成して恐怖効果を与え続けてきた。まるで死神のように鎌を持って描かれることも多く、おそらく、カカシ=収穫=鎌というイメージが元になっている。だがやはり格闘戦よりも、恐怖ガスを開発した化学者としての才能と、相手を追い詰める術に長けた心理学者としての頭脳が、スケアクロウの最大の武器となっている。
スケアクロウの経歴
起源<オリジン>
スケアクロウの出自は1941年の初登場時から描かれ、再登場時の1967年にも同様のストーリーが語られた。
鳥を脅かすのが好きだったジョナサン・クレイン少年は、大人になり、恐怖に関する講義で実演として銃を発射する狂信的な教授となった。目立つ痩身で人付き合いの悪い彼は、社交よりも研究を重視し、給料を本の購入に費やしていたが、同僚の教授陣からは服を買う金すらない奴だと蔑まれていた。それに怒りを覚えたクレインは、金さえあれば馬鹿にされず、研究にも没頭できると思い至り、犯罪の道へと進むことになる。その直後、彼は授業方針に抗議が上がったことで退任を迫られ、本格的にスケアクロウとなるのだった。ビジネスマンに取引を持ちかけ、その商売敵を妨害したり消したりすることで報酬を得るという、アコギなやり方でゴッサムの犯罪界で名を上げていったスケアクロウは、仕事のついでに希少文献を盗んだことでバットマンに正体を暴かれ、倒されてしまうのだった。
これ以降のコミックスでもスケアクロウのオリジンには度々触れられるが、彼が授業中に銃を撃って花瓶を破る描写は、1990年の『BATMAN #457』や1993年の『BATMAN: SHADOW OF THE BAT #17』など折に触れて何度も挿入されてきた。
彼の出自にさらに詳細な設定が加えられたのは、『スケアクロウ:イヤーワン』と題されたストーリーの掲載された1995年の『BATMAN ANNUAL #19』だった。
2005年には『イヤーワン:バットマン/スケアクロウ』という全2号のリミテッド・シリーズが刊行された。ここでは、ジョナサン・クレインの両親が登場し、クレイン家の歴史にも触れられた。
バットマンとの初期の戦い
鋭意記事作成中。今しばらくお待ちください。
インジャスティス・ギャングへの参加
鋭意記事作成中。今しばらくお待ちください。
スケアクロウと関連が深いキャラクター達
バットマン
スケアクロウの登場するコミックス
スケアクロウのコミックスから、有名なエピソードをいくつか紹介!
スケアクロウの初登場回!
『恐怖の選択』 Choices (BATMAN: LEGENDS OF THE DARK KNIGHT: HALLOWEEN SPECIAL #1) 『フィアー・ステート』 Fear State ・アニメ『バットマン』 ・映画『バットマン ビギンズ』 ・映画『ダークナイト』 ・映画『ダークナイト ライジング』 ・ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』
The Riddle of the Human Scarecrow
(WORLD’S FINEST #3/1941年)
恐怖を専門に扱う心理学教授のジョナサン・クレインは、授業中に銃を発射するような、行きすぎた講義を行なっていた。同僚の嘲笑を受けたことで犯罪に手を染めることを決めた彼は、カカシと揶揄される自分の外見から、貧困と恐怖の象徴であるこのカカシになりきることとなる。こうして生まれたスケアクロウは、ビジネスマンに取引を持ちかけ、その商売敵を消すという方法で荒稼ぎし、ゴッサムの犯罪界で次第に有名となっていった。バットマン&ロビンの手から何度も逃れていたスケアクロウだが、仕事のついでに希少文献を盗んだことでバットマンに正体を暴かれ、ついに再戦を果たすこととなる。初めて恐怖の化合物が登場!
Fright of the Scarecrow!!
(BATMAN #189/1967年)
公園で子供達とレクリエーションをしていたディック・グレイソンは、謎の潜水艦を目撃し、追跡を開始する。ブルースと合流したディックはバットマン&ロビンとなり、潜水艦から現れたスケアクロウに戦いを挑んだ。しかし、潜水艦から噴霧された化学液を浴びた二人は、薬品の効果で恐怖を呼び起こされ、墜落の幻覚に襲われてスケアクロウを取り逃がしてしまう。スケアクロウが現場に残したヒントを元に、次の標的を捉えたバットマン達は、スケアクロウを追って船上へと乗り込んでいく。再びスケアクロウと対峙するが、今度は彼の罠にかかり、一時的に視覚を奪われ、船室に閉じ込められてしまう。しかも、そんな彼らにスケアクロウの放った猛獣が襲い掛かるのだった。激闘の末なんとか部屋から脱出するも、再びスケアクロウを取り逃がしたバットマン&ロビン。果たして彼らは、次の犯行を阻止し、スケアクロウを捕らえることができるのか。スケアクロウ=恐怖の方程式
バットマンの大規模クロスオーバーでメインヴィランに
スケアクロウを映像で見るには…