バットマンの事件簿:トゥーフェイスの犯罪!(1942年8月)

バットマンの事件簿:トゥーフェイスの犯罪!(1942年8月)
トゥーフェイスの犯罪!
The Crime of Two-Face!

あらすじ

ハンサムなゴッサムの検事ハービー・ケントは、マフィアのボス、モローニの裁判を担当していた。事件の証拠として両面が表になった銀貨が提示された時、モローニはハービーの顔に硝酸をかけ、顔半分を醜くただれさせてしまう。自分の醜い姿に怒りと憎しみを募らせたケントは、銀貨の片面に傷をつけ、物事の判断をコイントスに任せるトゥーフェイスとなっていく。悪党となったかつての盟友を倒すため、バットマンはトゥーフェイスとの対決に臨むのだった。

キャラクター


©1942 DC Comics.
バットマン(ブルース・ウェイン)
地方検事のハービー・ケントとともに犯罪撲滅のために戦うゴッサムシティの守護者。裁判の被告ボス・モローニがケントに酸を投げつけた時、バットマンが証言台に立っていた。ハービーの友人であり、トゥーフェイスの宿敵でもある。

©1942 DC Comics.
トゥーフェイス(ハービー・ケント)

初登場
ゴッサムシティの地方検事であり、アポロと呼ばれるほどのハンサムガイだった。裁判中ボス・モローニに酸をかけられ、顔の半分がただれたことで、善悪をコイントスで決める悪党トゥーフェイスへと豹変した。現在の設定では本名はハービー・デントだが、当初は「ケント」の姓で登場した。

©1942 DC Comics.
ロビン(ディック・グレイソン)
バットマンのサイドキック。トゥーフェイスの手下のギャング達と戦い、バットマンをサポートした。

©1942 DC Comics.
ボス・モローニ

初登場
ゴッサムシティのギャングのボスの一人。ハービーの顔に酸をかけ、トゥーフェイスを生み出す原因を作った張本人である。

©1942 DC Comics.
ギルダ

初登場
ハービー・ケントの婚約者。ハービーのただれた顔を見て、彼を拒絶してしまう。そのことがハービーの心に火傷以上のショックを与え、悪の道へと進ませることとなった。

ポイントと解説

今作で初登場したトゥーフェイスは、見た目もオリジン(誕生秘話)も現在のものと大きく変わっておらず、登場当時から完成されたキャラクターだった。トゥーフェイスの緑に変わった半面と、オレンジと紫のツートーンのスーツは、洗練された不気味さを漂わせている。作者のボブ・ケインは、トゥーフェイスの造形を小説『ジキル博士とハイド氏』から着想を得ていると語っており、冒頭では、トゥーフェイス自身がその本を抱えている描写も描かれた。

銀行強盗を繰り返しながらも、その儲けを私欲のために使うか、社会のために寄付するかを厳格にコインで決めるトゥーフェイスの姿は、単なる悪党でも義を持ったダークヒーローでもない微妙な均衡のキャラクターであり、コミック内でもゴッサム市民の評判を二分している。

終盤ではバットマンとトゥーフェイスが映画館で対決するシーンが描かれるが、スクリーンには残忍なトゥーフェイスが映し出される中、バットマンが目の前のハービーを説得するという、トゥーフェイスの二面性を強調する演劇的な演出がなされている。

最終的にバットマンとトゥーフェイスの戦いの結末はコイントスに委ねられるが、床に挟まったコインは倒れず、トゥーフェイスの決断は次々号の『二重生活の男!』(DETECTIVE COMICS #68)に持ち越されることとなる。

名場面集

Detective Comics Vol 1 66 1 2-4
Detective Comics Vol 1 66 1 3-7
Detective Comics Vol 1 66 1 4-3
Detective Comics Vol 1 66 1 4-9
Detective Comics Vol 1 66 1 5-2
Detective Comics Vol 1 66 1 5-3
Detective Comics Vol 1 66 1 5-4
Detective Comics Vol 1 66 1 6-4
Detective Comics Vol 1 66 1 7-1
Detective Comics Vol 1 66 1 8-5
Detective Comics Vol 1 66 1 8-7
Detective Comics Vol 1 66 1 9-3
Detective Comics Vol 1 66 1 12-1
Detective Comics Vol 1 66 1 13-10
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©1942 DC Comics.

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