二重生活の男!
The Man Who Led a Double Life!
©1942 DC Comics.
エスカレートするトゥーフェイスの手口
前々号で善悪の決断を迫られたトゥーフェイスが、本格的にヴィランとしての人生を突き進む選択をする物語。バットマンとトゥーフェイス、かつての友人同士の最初の戦いが、ついに結末を迎えることとなる。
前々号で善悪の決断を迫られたトゥーフェイスが、本格的にヴィランとしての人生を突き進む選択をする物語。バットマンとトゥーフェイス、かつての友人同士の最初の戦いが、ついに結末を迎えることとなる。
収録:DETECTIVE COMICS #68(1942年10月号)
ライター:ビル・フィンガー
アーティスト:ボブ・ケイン
ライター:ビル・フィンガー
アーティスト:ボブ・ケイン
あらすじ
トゥーフェイスの今後の生き方を左右するコイントスの結果、銀貨は床に挟まり倒れなかった。善と悪どちらを選ぶのか、バットマンはハービーに判断を委ねるが、彼は決断を先延ばしにして銀貨を胸ポケットへとしまい込む。ちょうどそこへ踏み込んだ警察官が発砲するが、銃弾は胸の銀貨にあたり、トゥーフェイスは命拾いする。彼はこれこそ運命だと直感し、悪の道を歩み続けることを決心する。その後もバットマンに挑戦するかのように犯罪を続けるトゥーフェイスだったが、その結果、彼は自分の犯罪の因果を知ることとなるのだった。
キャラクター
©1942 DC Comics.
バットマン(ブルース・ウェイン)
ゴッサムシティのヴィジランテとして、悪党となったトゥーフェイスを追う。トゥーフェイスの中に、かつて友人だったハービーの善の心が残っていると信じるバットマンは、辛抱強くハービーを説得し続けた。
©1942 DC Comics.
トゥーフェイス(ハービー・ケント)
ゴッサムシティの元検事で、善悪の二面性を持ち、「2」にこだわるヴィラン。コインが銃弾から身を守ってくれたことで悪の道を選択するが、自分の中に残る善の面に苦悩し、トゥーフェイスとハービー・ケントの心を行き来することになる。
©1942 DC Comics.
ロビン(ディック・グレイソン)
バットマンのサイドキック。バットマンを完璧にサポートするが、偏屈な大富豪にいたずらをする子供らしい一面も描かれた。
©1942 DC Comics.
ギルダ
ハービー・ケントの婚約者。顔がただれてもハービーを愛していたが、悪に染まり疑心暗鬼になったハービーには彼女の気持ちは届かなかった。
©1942 DC Comics.
ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警の本部長。トゥーフェイスを捕らえるため、大富豪ヘンリー・ローガンの影武者作戦をバットマンとともに実行した。
©1942 DC Comics.
ヘンリー・ローガン
単独登場
マッチ細工が趣味の大富豪の偏屈老人。自身の影武者がいることをトゥーフェイスに知られており、そのことでゆすられている。
©1942 DC Comics.
ゴッサム市長
単独登場
警察と消防の野球大会でスピーチを行った。
ポイントと解説
コインの表裏で物事を決めるトゥーフェイスは、その外見同様に光と闇のコントラストがはっきりしたキャラクターだが、それゆえに自分の判断に思い悩む場面や、ギルダへの愛情に葛藤する場面は、二面では割り切れない人間としてのハービー・デントの複雑さを感じさせる。
この話では警察と消防に分かれて野球の親善試合が行われ、バットマンが警察側で登場している。そんな警察だらけの場所に乗り込んでくるトゥーフェイスの大胆さに驚かされる。他にも、テニスの観覧客から金品を巻き上げたり、検事時代に秘密を握っていた偏屈な老人をゆすったり、自分の顔の修復に不手際があった蝋細工職人を襲ったりと、この話で描かれるトゥーフェイスの犯罪の数々は、動機も手段もバラエティに富んでいた。
名場面集
©1942 DC Comics.